中井「染の小道」へ行ってきました。

先日は中井(西武新宿線沿線)のイベント「染の小道」へ。

突然の真冬のような寒さとどんより曇った日でしたが、たくさんの人で賑わっていました。

カメラ片手の外国人観光客も多く、みなさん細かく情報収集しているのだろうと感心。

さて、このイベントですが、

地域内を流れる妙正寺川の川面に、およそ150枚の反物を架けわたされるというもの。

昭和30年代までは実際に職人さんが川底に降りて反物の水洗いをしていたそうで、その光景を再現しているそうです。

江戸の頃はきっとここで作った反物を川伝いに船で江戸中心地のお店まで運んでいたのでしょうね。


戦前までの光景かと思っていましたが昭和30年代までだったとは吃驚!

この光景がなくなってしまったのには反物の需要減少も大きな要因の一つでしょうが、最も大きな要因は高度成長期時代からの深刻な河川汚染だと想像できます。

私はギリギリ昭和生まれの人間ですが、自身が子どもの頃ですら都内の川はどれもまともに近づけないほど汚かったことを覚えています。


時代は変わり、この界隈も今ではすっかり職人の町からありふれたベットタウンへと変わっていますが、この街が発展してきた理由を忘れずにこういったイベントで盛り上げようとしている姿勢は素晴らしいです。

川には地域の保育園や小学校から出展されている反物もかかっていました。


イベント時だけでなく、日頃から文化継承へのきっかけなどが多くあると今後より良い町興しになっていくのではないかと感じました。

川もずいぶんと澄んで綺麗になりました。


中井から新宿にかけて、紺屋さんはまだたくさん残っておりますので実際の商品が気になる方は是非チェックしてみてください。

ご注文やお仕事のご依頼は新宿染色協議会へおたずねください。」とのことです。


どんより天気で彩度が落ちた町のなかに華やかな反物がずらりとかかっている。

眺めていたらなんだか水木しげるさんの世界観に入ったような感覚になり、撮影。




土屋じゅり公式サイト:http://juligraphy.com/photo/

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